コラム

三明機工が教える「現場目線の設備づくり」

― 作る人ではなく、使う人から考える設備導入 ―

製造業における人手不足や技能継承の課題が深刻化する中、多くの企業が自動化や省人化への取り組みを進めています。
設備導入を検討する際は、生産能力やサイクルタイム、投資対効果などの指標に注目が集まりがちです。もちろん、これらは重要な要素です。しかし、それだけでは設備導入の成功を十分に判断することはできません。
設備が完成し、実際に稼働を始めてから、
「思っていたより作業しづらい」
「メンテナンス性が悪い」
「作業スペースが狭い」
「異常が発生したときに対応しにくい」
といった問題に気付くケースもあります。
こうした問題を防ぐには、設備を設計する段階から、実際に設備を使用する「使う人」の視点を取り入れることが重要です。

設備は「使う人」がいて初めて価値を生む

どれほど高性能な設備であっても、実際に使用する現場の方々にとって使いにくい設備では、その性能を十分に発揮することはできません。
設備を設計する側からは問題なく見えていても、実際に操作するオペレーターや保全担当者の視点では、異なる課題が見えてくることがあります。
例えば、操作のしやすさや点検・部品交換のしやすさ、作業スペースの確保などは、日々設備を使う人だからこそ気付けるポイントです。
だからこそ、設備づくりには「作る人の視点」だけでなく、「使う人の視点」が欠かせません。

現場目線で考えたい3つのポイント

1.作業しやすいこと
生産性向上というと、自動化率や処理能力に目が向きがちです。
しかし、日々設備を操作する人が、無理なくスムーズに作業できることも重要です。
操作方法が分かりにくければ、教育に時間がかかったり、ヒューマンエラーにつながったりする可能性があります。
また、作業姿勢や人の動線、設備周辺のスペースなども、現場での使いやすさを左右します。
設備は機械だけで完結するものではなく、人が使うことで初めて価値を生み出すものです。

2.保守しやすいこと
設備は導入して終わりではありません。
点検や部品交換、清掃、トラブル対応など、長期間にわたって維持管理していく必要があります。
例えば、点検箇所まで人が安全に移動できるか、部品交換のためのスペースが確保されているか、工具を使いやすい位置になっているか。
こうした細かな部分が、設備の安定稼働や保全作業の負担に影響します。
設備導入時には見落とされがちなポイントですが、長く使い続ける設備だからこそ、将来の保守まで見据えた設計が重要になります。

3.安全であること
安全対策は、法令や安全基準への対応だけではありません。
作業者が無理な姿勢を取らずに作業できるか、設備周辺を安全に移動できるか、異常時に安全に対応できるか、危険箇所へ容易に近づけてしまわないか。
こうした視点も、現場で設備を使う上では重要です。
設備導入の初期段階から現場の意見を取り入れることで、安全性だけでなく、働きやすい作業環境づくりにもつながります。

「現場の声」を設計段階から取り入れる

設備導入では、生産技術部門だけでなく、実際に設備を使用する現場担当者や保全担当者にも、計画段階から参加していただくことが重要です。
現場で働く方々は、日々の業務を通じて多くの課題を把握しています。
そうした意見を設備計画の初期段階から取り入れることで、
 ・ 手戻りの削減
 ・ 立ち上げ期間の短縮
 ・ 作業効率の向上
 ・ 現場での使いやすさの向上
などが期待できます。

VRで設備完成前に「使ってみる」

しかし、完成していない設備を実際に使って確認することは簡単ではありません。
そこで活用できるのが、VR(バーチャルリアリティ)による設備計画・事前検証です。
VRとは、コンピューター上に再現した仮想空間を、専用の機器などを使って実際の空間のように体験できる技術です。
設備計画にVRを活用すれば、設備完成前でも、実際の設備が配置された空間を仮想的に体験できます。
設備のレイアウトや作業動線、操作性、保全スペースなどを、実際に設備を使う人の目線から確認することで、図面だけでは気付きにくい課題を早い段階で発見できます。
設備が完成してから問題を発見すると、レイアウト変更や設備改修などによって、追加の時間やコストが発生する可能性があります。
だからこそ、設備導入では「どのような設備を作るか」だけでなく、「その設備を誰が、どのように使うのか」を計画段階から考えることが重要です。
VRは、設備完成前に「実際に使ったらどうなるか」を確認するための方法の一つとして、現場目線の設備づくりを支える有効なツールです。

まとめ

設備導入の目的は、単に機械を導入することではありません。
生産性向上や品質向上を実現しながら、実際に設備を使用する現場の方々にとっても、使いやすく、安全で、長く運用できる設備をつくること。
それが、本当の意味での設備導入の成功につながるのではないでしょうか。
そのためには、「作る人」の視点だけでなく、「使う人」の視点を設備計画の早い段階から取り入れることが重要です。
三明機工では、お客様の課題や現場環境に寄り添いながら、設備の設計・製作だけでなく、VRを活用した設備計画や事前検証にも取り組んでいます。
設備導入を検討される際には、ぜひ一度、「現場で実際に使う人から考える」という視点で、設備づくりを見直してみてはいかがでしょうか。

8月25日開催「ロボット・AI・IoTフェア in Shizuoka」に出展します

三明機工では、8月25日に開催される「ロボット・AI・IoTフェア in Shizuoka」に出展し、VRゴーグルを使った設備計画・事前検証の体験展示を行います。
実際にVRを体験しながら、設備完成前に「使う人」の目線で設備を確認するイメージをご覧いただけます。
▶ 展示会の開催概要・出展内容はこちら
https://sanmei-kikou.co.jp/news/rfshizuoka/


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